物心ついたときから、人の髪を触ることが好きなことと同時に、自分の髪(髪質)に対してのコンプレックスを持つようになっていました。
そんな状況で美容室に行っては、自分の髪のコンプレックスを解消することもなく、何か満たされていな
いモヤモヤした気持ちを持ち続けている中、自分自身が美容師になって、この満たされない理由をきちんと知ることが出来たら、納得できることも多いのではと思い、美容師を目指すことを決意しました。
今となればの話ですが、その時はとにかく「私の髪質が改善出来ない理由を知りたい。そもそもどうしてそれを教えてくれないの?」という疑問があったんですね
。
美容師の立場になって実感するんですが、そのときの美容師さんも理由はわかっていたかもしれないけど、上手く伝えることが出来なかったのでは?と感じます。お客さまが思っていること、なりたい姿に近づけることは簡単ではないなと。
でも、その経験があってよりしっかりカウンセリングをして、お客さまのご要望に応えたいと思うようになり、今に至っています。
専門学校卒業後、新卒では業界老舗チェーン店舗へ入社し、スタイリストデビューを果たしてバリバリ現場で働いていましたが、生活の変化に伴い、新たな働き方を求め退社します。
その後4年ほど別の美容室での勤務を経て、今の会社に出会いま
す。
美容師繋がりで出会った友人が今の会社の一号店で働いていて、一緒に働かないかという誘いがきっかけでした。
今まで新卒から2社経験をして、その経験を経て自分の中の会社を見る視点が変わって行く、ちょうどそのような転機と重なったのだ
と思います。
2社とも今までは家族経営ということもあってか、一美容師の声が届きにくい、なかなか現場の声が反映されないことも多く、そうではない風通しのよい会社で働きたいと感じていました。
代表である駒﨑が美容師ではなく、既成概念
に囚われない経営を目指している点、また何より人として尊敬する友人が誘ってくれたということも重なり、ここで働くことを決意しました。
-
教育担当は技術を教えるだけにあらず。 自身の経験・体験も含め、
美容師として大切にしたいことに気づくきっかけを与えることが、一人ひとりのかけがえのない キャリアを創って行く。教育担当責任者 永妻 春香
美容師を目指すきっかけから現在に至るまでの経緯を教えてください。 -
ご自身の決してポジティブではない体験から、美容師の道を目指されたおかげで、美容師としての重要な視点に気づかれたのは大きな財産になれていますね。さてご入社されて改めて自分の過去を振り返ってみて、美容師としてのキャリアについ てどのように感じていますか?今は現場に立ちながら結婚出産というライフイベントも経て、グループ全体の教育担当として、後進の育成・指導を担当し ています。
自分自身が経験していることも踏まえ、代表とよく育成方針について話をすることがあるのですが、女性は特に出産などで 長期の休みを取らざるを得ないをことを考えると、それまでにスタイリストデビューしてお客さまがついている状態がよいと思っています。
ちゃんとお客さまが付いた状態でお休みすることで、お休み復帰後多少の失客もすることはあるけど、ある程度復帰後の活 動が約束された状態で、現場に戻りやすくなるというのがその理由です。
現場に復帰しても安定した収入を得れるような取 り組みが何より必要であると考えています。当社ではそういった考えのもと前向きに産休に入るメンバーがほとんどです。 アシスタントで産休に入ってしまうとなかなか練習の時間が確保しにくい、またデビュー直後だと現場でお客さまと接することでこそ習得出来るスキルアップが難しくなる。キャリアを広い視点で見て技術を単純に指導するだけではく、早期スタ イリストデビューやそれぞれのポジションにあったキャリアを詰める環境をより整備して行きたいと考えています。
そう言うとスタイリストデビューがゴールなの?と感じるメンバーもいますが、そもそも自分での目標やゴール設定が出来 ていない人も中にはいます。自分が好きな美容師という仕事を長く続けたいのであれば、自分が考えるキャリアの積み方に 対して目標・ゴールを設定する必要がありますよね。それを自分で考え設定し、実行することが何より大事だと思っています。
私自身も限られた時間で、個々人の能力や進みたい方向を見極め、実力を発揮できるような指導が出来ているかどうかはま だまだ手探りの部分はありますが、これも諦めずにチャレンジして行きたいです。 当社は定年まで働ける会社を目指しています。定年まで働けるように、一人ひとりの働き方を尊重すること。まだまだ指導者としての試行錯誤は続きますが、合わせてこれからも大好きな現場にも立ち続けて行きたいと思っています。 -
会社(代表)の風土やらしさを言葉で現すとどんな言葉になりますか?また永妻さんの仕事に対するモチベーションの源泉はどのようなことなのでしょうか。代表の駒﨑は距離が近く、フラットに意見交換出来る環境を作ってくれていると思います。
現場への理解・尊重を前提にあ らゆる取り組みに関しても自分でまずはやって見せて、それを現場へと接続してくれます。
前提、美容師とそれ以外は違う生き物と行っても過言ではありません。美容師以外の視点で現場にいないからこそ出てくる話も数多くあり、そういう場面では私たち美容師にない視点に新鮮さや気づきを与えてくれます。
会社が存続し続け、私たち社員の可能性が広がる方向に導いてくれていると実感します。 美容師が代表を務める会社にはない、柔軟さや発想は当社ならではないかと感じます。
私自身、入社して10年を超え今もこうやって働き続けることが出来ているのは、ひとえに感謝でしかないのですが、何より 一緒に働くメンバーがいるからこそ、ここで出会った縁を大切にしたい、長くみんなと働いていたいと思う気持ちが大きいです。
何より自分が育成に携わったスタッフが多く、一人ひとりが活躍してくれていることも大きなやりがいになっています。メ ンバーの成長に携われていることは大きな喜びです。 人は誰かに認められて自分の成長を実感します。私自身は成長に必要な気づきを与えることが役割だと思っています。自分らしさを自覚し、自分らしく進む道をこれからもメンバーと一緒に作ってゆければと思っています。